2018年1月21日日曜日

悟性にとって単純なる事物には、純粋に悟性的なもの、純粋に物質的なもの、共通的なものがある。(ルネ・デカルト(1596-1650))

単純本質

【悟性にとって単純なる事物には、純粋に悟性的なもの、純粋に物質的なもの、共通的なものがある。(ルネ・デカルト(1596-1650))】
認識するわれわれ
認識さるべき物自身
 おのずからしてわれらに明らかであるもの
  2.私は存在する
   人間精神が何であるか。
  3.私でないものが、存在する
  4.精神と身体
   身体は何であるか。
   身体は精神によっていかに形成されるか。
  5.私(精神)のなかに見出されるもの
 いかにしてあるものが他のものから認識せられるか
   単純なる事物の概念
    純粋に悟性的なもの
     認識とは何であるか。
     疑いとは何であるか。
     意志の働きとは何であるか。
    純粋に物質的なもの
     形、延長、運動など。
    共通的なもの
     共通概念(公理):他の諸々の単純本質を相互に結合する鎖
     存在、統一、持続など。
   単純なる事物の概念から複合せられた概念
 各々の物からいかなる事柄が演繹されるか
 「第二にわれわれのいうところは、われらの悟性に関して単純といわれる事物が、或いは純粋に悟性的なもの(intellectuales)、或いは純粋に物質的なもの(materiales)、或いは共通的なもの(communes)、であることである。純粋に悟性的なものとは、或る生具の光によりかつ物体的心像の助けを全く借らずに、悟性が認識するものである。事実、そういうものが一つならず存在すること、確かである。そしていかなる物体的観念を作って見ても、認識とは何であるか、疑いとは何、意志の働き――これを意志作用と呼びうる――が何であるか等を、われらに示しえないけれども、しかしわれらはこれらすべてを、真実に認識する。しかもそのためにはただわれらが理性を賦与されているということのみで足るといえるくらいに容易に、認識するのである。純粋に物質的なものとは、物体においてのみ存するとわれわれの認識するところのもの、である。例えば形、延長、運動など。最後に、共通的というべきものは、物体的なものにも精神的なものにも無差別に適用されるところのもの、存在、統一、持続などである。またかの共通概念(公理)(notiones communes)をも、ここに属せしむべきである。それは、他の諸々の単純本質を相互に結合する鎖ともいうべきものであって、それの明証性に基づいてすべての推論が結論を生むのである。」
(ルネ・デカルト(1596-1650)『精神指導の規則』規則第一二、pp.80-81、[野田又夫・1974])
(索引:)

精神指導の規則 (岩波文庫 青 613-4)



哲学の再構築 ルネ・デカルト(1596-1650)まとめ&更新情報 (1)存在論
(目次)
 1.なぜ、哲学をここから始める必要があるのか
 2.私は存在する
 3.私でないものが、存在する
 4.精神と身体
 5.私(精神)のなかに見出されるもの

ルネ・デカルト(1596-1650)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)
(出典:wikipedia
 「その第一の部門は形而上学で、認識の諸原理を含み、これには神の主なる属性、我々の心の非物質性、および我々のうちにある一切の明白にして単純な概念の解明が属します。第二の部門は自然学で、そこでは物質的事物の真の諸原理を見出したのち、全般的には全宇宙がいかに構成されているかを、次いで個々にわたっては、この地球および最もふつうにその廻りに見出されるあらゆる物体、空気・水・火・磁体その他の鉱物の本性が、いかなるものであるかを調べます。これに続いて同じく個々について、植物・動物の本性、とくに人間の本性を調べることも必要で、これによって人間にとって有用な他の学問を、後になって見出すことが可能になります。かようにして、哲学全体は一つの樹木のごときもので、その根は形而上学、幹は自然学、そしてこの幹から出ている枝は、他のあらゆる諸学なのですが、後者は結局三つの主要な学に帰着します。即ち医学、機械学および道徳、ただし私が言うのは、他の諸学の完全な認識を前提とする窮極の知恵であるところの、最高かつ最完全な道徳のことです。ところで我々が果実を収穫するのは、木の根からでも幹からでもなく、枝の先からであるように、哲学の主なる効用も、我々が最後に至って始めて学び得るような部分の効用に依存します。」
(ルネ・デカルト(1596-1650)『哲学原理』仏訳者への著者の書簡、pp.23-24、[桂寿一・1964])

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