2019年11月2日土曜日

立法内容の違憲性が明白な場合には、この立法行為によって権利または法律上保護された利益が侵害されたならば、国家賠償法上の違法性が認められる。なぜなら、国務大臣と国会議員には、十分な審議、国民への説明、法案の必要な修正等の責任があるからである。(伊藤真(1958-)

国家賠償法上の違法性

【立法内容の違憲性が明白な場合には、この立法行為によって権利または法律上保護された利益が侵害されたならば、国家賠償法上の違法性が認められる。なぜなら、国務大臣と国会議員には、十分な審議、国民への説明、法案の必要な修正等の責任があるからである。(伊藤真(1958-)】
 以下のような立法行為によって、原告の「権利又は法律上保護される利益」(民法709条)が侵害されたのならば国家賠償法上の違法性が認められ、これによって生じた損害は、国家賠償として認められなければならない。
(1)「立法の内容が憲法の一義的な文言に違反している」場合
 例えば、
 (1.1)「憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合」
 (1.2)「憲法上保障され又は保護されている権利利益を合理的な理由なく制約するものとして憲法の規定に違反するものであることが明白」
 (1.3)立法内容が人権規範以外の憲法規範に違反するときは、「憲法の規定に違反するものであることが明白な場合」
(2)国務大臣と国会議員の職務義務
 (2.1)国務大臣は、重大な違憲の疑義が生じているような法案を、国会に提出する閣議決定に同意してはならない。
 (2.2)国会議員は、当該法案に、重大な違憲の疑義が生じている場合には、そうした違憲の疑いを払拭するべく審議を重ね、少なくとも国民の多くが違憲の疑いを持たない程度には法案の修正などによって対応するべき職務義務がある。
 (2.3)審議を通じて、なぜそのような法律が必要なのか、その立法事実を丁寧に検討し、当該立法の必要性、相当性を十分に明らかにすることで、国会議員として国民の疑問に誠実に応えるべきという国会議員としての行為規範がある。

「これらの「憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合」とか「憲法上保障され又は保護されている権利利益を合理的な理由なく制約するものとして憲法の規定に違反するものであることが明白」という表現は、昭和60年判決がいうところの「立法の内容が憲法の一義的な文言に違反している」場合の例示であり、立法内容が、憲法の人権規範に違反するときの判断枠組みとしてこのような表現になっているものと考えられる。また、仮に立法内容が人権規範以外の憲法規範に違反するときには、「憲法の規定に違反するものであることが明白な場合」という判断枠組みによって判断することが可能と考える。
 なぜなら、立法内容が、憲法13条のような人権規範に違反するときであろうが、憲法9条のように人権規範以外の憲法規範に違反するときであろうが、憲法規範に違反することが明白な内容の立法行為が許されるはずもなく、いずれも昭和60年判決がいうところの「立法の内容が憲法の一義的な文言に違反している」場合にあたるといえるからである。こうした立法行為によって、原告の「権利又は法律上保護される利益」(民法709条)が侵害されたのならば国家賠償法上の違法性が認められ、これによって生じた損害は、国家賠償として認められなければならない。
 さらに、国務大臣は、重大な違憲の疑義が生じているような法案を国会に提出する閣議決定に同意してはならないし、国会議員は、当該法案に、重大な違憲の疑義が生じている場合には、そうした違憲の疑いを払拭するべく審議を重ね、少なくとも国民の多くが違憲の疑いを持たない程度には法案の修正などによって対応するべき職務義務があるといえる。国務大臣も国会議員も憲法尊重擁護義務を負っているからである。そして、審議を通じて、なぜそのような法律が必要なのか、その立法事実を丁寧に検討し、当該立法の必要性、相当性を十分に明らかにすることで、国会議員として国民の疑問に誠実に応えるべきという国会議員としての行為規範がある。」
(出典:国家賠償請求訴訟 平成28年(ワ)13525号 2017年3月3日 第3回 口頭弁論 報告会資料(意見陳述全文掲載)裁判資料・国家賠償請求訴訟安保法制違憲訴訟の会
(索引:国家賠償法上の違法性)

(出典:安保法制違憲訴訟の会
安保法制違憲訴訟の会(2016-)(Collection of propositions of great philosophers)
安保法制違憲訴訟の会(2016-)
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国賠法上の違法性は,権利ないし法的利益の侵害を前提として,公務員が個別の国民に対して負担する職務上の法的義務に違反したか否かにより判断される。侵害が強固であることにより、違法性が証明されるわけではない。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2017年3月3日 第3回 口頭弁論 被告準備書面(1))

国賠法上の違法性要件

【国賠法上の違法性は,権利ないし法的利益の侵害を前提として,公務員が個別の国民に対して負担する職務上の法的義務に違反したか否かにより判断される。侵害が強固であることにより、違法性が証明されるわけではない。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2017年3月3日 第3回 口頭弁論 被告準備書面(1))】

(1)民法上の不法行為は,侵害行為の態様・程度と被侵害利益の種類・内容との相関関係において判断される。(相関関係説)
 (1.1)法律上保護される権利ないし利益が存在すること。
 (1.2)権利ないし法的利益の侵害があること。
 (1.3)違法性の判断
  (a)侵害行為の態様・程度
  (b)被侵害利益の種類・内容
(2)国賠法上の違法性は,権利ないし法的利益の侵害を前提として,公務員が個別の国民に対して負担する職務上の法的義務に違反したか否かにより判断される。(職務行為基準説)
 (2.1)法律上保護される権利ないし利益が存在すること。
 (2.2)権利ないし法的利益の侵害があること。
 (2.3)違法性の判断
  (a)公務員が個別の国民に対して負担する職務上の法的義務があること。
  (b)その職務を行うについて,故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたこと。
  (c)国賠法上の違法性は,侵害行為の態様・程度と被侵害利益の種類・内容との相関関係において判断されるものではない。
   (c.1)仮に、侵害行為の態様・程度、被侵害利益の種類・内容が強固なものであっても、法の定める一定の要件と手続の遵守の下で、その侵害が行われたものである限り、これをもって違法とされるものではない。

「第2 国賠法上の違法性は,侵害行為の態様・程度と被侵害利益の種類・内容との相関関係において判断されるものではないこと
 1 . 原告らの主張の要旨
 原告らは,「本件は,被告の不法行為責任を問うものであるが,その場合,侵害行為の態様・程度と被侵害利益の種類・内容との相関関係において,不法行為の違法性が判断されるべきことはいうまでもな」く,したがって,「本件における不法行為の成否は,新安保法制法の違憲性とその重大性を措いて,論ずることはできない。」と主張し(原告ら準備書面(1)第1の2・4及び5ページ),その根拠として,最高裁判所平成17年_9月14日大法廷判決(民集59巻7号2087ページ。以下「最高裁平成17年判決」という。)を指摘するとともに(同第2の3・14及び15ページ),被告が挙げる最高裁判所の判例も,「不法行為の違法性は,侵害行為の態様・程度と被侵害権利利益の種類・内容との相関関係によって判断」(同第4の1(3)・3 8及び39ページ)しているとする。
2 国賠法上の違法性は,権利ないし法的利益の侵害を前提として,公務員が個別の国民に対して負担する職務上の法的義務に違反したか否かにより判断されること
 本件訴訟において,原告らは,被告に対し,「国家賠償法1条1項に基づく国家賠償請求」として損害金等の支払を求めているところ(訴状第6・44ページ),国賠法1条1項は,「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が,その職務を行うについて,故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは,国又は公共団体が,これを賠償する責に任ずる。」と定めている。これは,「国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が個別の国民に対して負担する職務上の法的義務に違背して当該国民に損害を加えたときに,国又は公共団体がこれを賠償する責任を負うことを規定するものであ」り(最高裁平成1 7年判決),国賠法1条1項の適用に当たり,当該公権力の行使が「違法」となるか否かは,公務員が個別の国民に対して負担する職務上の法的義務に違反したか否かで判断される(職務行為基準説)。このことは,最高裁判所昭和6 0年11月21日第一小法廷判決(民集39巻7号15 1 2ページ。以下・「最高裁昭和60年判決」という。),最高裁判所平成5年3月11日第一小法廷判決(民集47巻4号28 6 3ページ),最高裁判所平成9年9月9日第三小法廷判決(民集5'I巻8号38 5 0ページ),最高裁平成17年判決,最高裁判所平成27年12月16日大法廷判決(民集69巻8号24 2 7ページ)等において繰り返し示されているところであり,確立した判例である。
 そして,国家賠償制度が個別の国民の権利ないし法的利益の侵害を救済するものであることの当然の帰結として国賠法1条1項の違法は,当該個別の国民の権利ないし法的利益に対する侵害があることを前提としていることは,答弁書第4の2(1)(20ページ)で述べたとおりであるが,そもそも,国家賠償を請求する者が侵害されたと主張する権利ないし利益が法律上保護されるものでなければ,公権力の行使に当たる公務員は,当該個別の国民との関係では何ら職務上の義務を負担していないことになり,また,損害を加えたということにもならない。したがって,法律上保護される利益が侵害されたといえなければ国賠法1条1項の適用上違法とされることはない。
 これに対し,民法上の不法行為においては,他人の権利を侵害すること自体が原則として許されず,権利ないし法益の侵害があるときには原則として違法性が認められ、また,その違法性の判断は,原告らが本件訴訟において「不法行為責任」の解釈として述べるのと同様,被侵害利益の種類・性質と侵害行為の態様との相関関係において考察され,被侵害利益が強固であれば行為の不法性が小さくとも違法性が肯定され,被侵害利益が強固でないときは行為の不法性が大きい場合に違法性が肯定されるとする,いわゆる相関関係説が一般的に妥当していると言われている。しかしながら,公権力の行使は,国民の権利に対する侵害を内包することが多く(生命刑や自由刑の執行がその典型である。),いかに被侵害利益が強固なものであっても,法の定める一定の要件と手続の遵守の下でその侵害が行われたものである限り,これをもって違法とされるものではないし,また,侵害行為の態様から,国賠法上の権利ないし法的利益の侵害が基礎づけられるというものでもない。すなわち,国賠法1条1項の違法は,民法上の違法の徴憑である被害者の生命,財産等の権利,利益に対する侵害の観点ではなく,それに関与した公務員の行為が当該公務員に命じられた職務義務に違反するか否かが問われることになるのである(筧康生「国家賠償法における反射的利益」貞家最高裁判事退官記念論文集(民事法と裁判)下28 5ページ,都築弘「規制監督権限の不行使」現代民事裁判の課題⑩〔国家賠債J2 74ページ)。
 以上のとおり国賠法上の違法性判断は,個別の国民に権利ないし法的利益の侵害が存在することを前提とした上で,公務員が当該個別の国民に対して負担する職務上の法的義務に違反したか否かにより判断されるものである。
 したがって,国賠法1条1項の違法について,侵害行為の態様・程度と被侵害利益の種類・内容との相関関係において違法性が判断されるとする原告らの主張は失当である。」
(出典:国家賠償請求訴訟 平成28年(ワ)13525号 2017年3月3日 第3回 口頭弁論 被告準備書面(1)裁判資料・国家賠償請求訴訟安保法制違憲訴訟の会
(索引:国賠法上の違法性要件)

(出典:安保法制違憲訴訟の会
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安保法制違憲訴訟の会(2016-)
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2016年7月1日、バングラデシュの首都ダッカでのレストラン襲撃事件において、人質の一人の日本人が、銃を突きつけた犯人に向かって「I am Japanese.」と言い、殺された。日本はもはや、武力と戦争を放棄した国とは考えられていない。(岡本達思(1950-))

憲法9条が日本人を守っていた

【2016年7月1日、バングラデシュの首都ダッカでのレストラン襲撃事件において、人質の一人の日本人が、銃を突きつけた犯人に向かって「I am Japanese.」と言い、殺された。日本はもはや、武力と戦争を放棄した国とは考えられていない。(岡本達思(1950-))】

「他の大国が、中東諸国に軍事介入する中で、憲法9条のもと武器を持たず平和外交や NGO による人道支援を続けてきた日本に対しては、パレスチナに限らず中東諸国の多くの人々は絶大な信頼を寄せてくれました。これは中東諸国で人道支援や取材活動を続けてきた日本人なら、誰もが感じているはずです。
 ところが、自公政権による安倍内閣が誕生して以来、彼らの日本に対して抱く信頼は徐々に薄れてきました。如実に変わったのは、2015年1月に安倍首相が中東諸国を歴訪して以降です。なかでも 1 月 18 日にイスラエルを訪問し、サイバーテロや軍用無人機などの安全保障関連分野での提携を深める演説は、中東諸国に対して挑発的な言動となり、私はそのニュースを見て全身に戦慄が走ったのを今でも忘れることができません。
 昨年7月1日にバングラデシュの首都ダッカで、武装集団によるレストラン襲撃事件がありました。この事件で私が最もショックを受けたのは、人質の一人の日本人が銃を突きつけた犯人に向かって「I am Japanese.」と言い殺されたことでした。かつては私たちの身を守る言葉だった「I am Japanese.」が、今や何の力もないこと、むしろ日本人が攻撃の対象として変わってしまったことに、私は深い悲しみを感じました。」
(出典:国家賠償請求訴訟 平成28年(ワ)13525号 2017年3月3日 第3回 口頭弁論 報告会資料(意見陳述全文掲載)裁判資料・国家賠償請求訴訟安保法制違憲訴訟の会
(索引:ダッカでのレストラン襲撃事件,日本国憲法第9条,安保法制)

(出典:安保法制違憲訴訟の会
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「後方支援」が安全であるというのは、事実に反した誤りである。敵から見れば、食糧、武器弾薬、医療物資等を遮断する作戦は効率的であり、逆に、輸送船は反撃の手段を持たないため、むしろ前線より危険である。(本望隆司)

後方支援活動の危険性

【「後方支援」が安全であるというのは、事実に反した誤りである。敵から見れば、食糧、武器弾薬、医療物資等を遮断する作戦は効率的であり、逆に、輸送船は反撃の手段を持たないため、むしろ前線より危険である。(本望隆司)】
「政府は,あたかも「後方支援」は安全であるかのような説明をしておりますが,実際のところ,兵站活動です。前線部隊に兵員、食糧,武器弾薬,医療物資等を運ぶのですから,敵からみれば,それを攻撃し,補給を遮断するのがもっとも効率的であることは当然です。「後方支援」だからといって安全であることは全くなく,輸送船は反撃の手段を持っていませんから,むしろ前線より危険ともいえるわけです。このことは,第二次世界大戦中に,日本の民間の船舶が輸送船として徴用され,攻撃対象になって、約半数の船員が犠牲となり、保有船舶もわずか数隻にまで壊滅した歴史で明らかです。日本海運が立ち直るために長い年月を要したのです。これは我々船員としては繰り返してはならない歴史です。「海員不戦の誓い」は海運界の切実な願いです。」
(出典:国家賠償請求訴訟 平成28年(ワ)13525号 2016年12月2日 第2回 口頭弁論 報告会資料(意見陳述全文掲載)裁判資料・国家賠償請求訴訟安保法制違憲訴訟の会
(索引:後方支援活動の危険性)

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船舶会社では、就職の際に、予備自衛官補になることが条件になっている。なぜか。船舶会社と防衛省との間では、有事の際に船舶を自衛隊に提供する契約が結ばれており、船舶会社の船員に、自衛官として後方支援の任務が課されるからだ。(本望隆司)

予備自衛官補

【船舶会社では、就職の際に、予備自衛官補になることが条件になっている。なぜか。船舶会社と防衛省との間では、有事の際に船舶を自衛隊に提供する契約が結ばれており、船舶会社の船員に、自衛官として後方支援の任務が課されるからだ。(本望隆司)】
「ところが,政府が憲法9条の精神を捨て去り,海外での武力の行使が可能になる集団的自衛権を閣議決定してから,我が海運業界もその影響が現れています。
 2016 年には軍需物資の海上輸送に、防衛省と船舶会社との間で,既に,2隻のチャーター契約を結んでいます。これは,普段はこの船舶を通常利用してもよいが,有事の際には,防衛省の命令によって,これらの船舶を自衛隊に提供するというものです。そして、船舶を操船するのは,自衛官となっていますが,現役の自衛官では操船が無理ですから,船員を予備自衛官として,自衛官の身分で,船舶を航行させることになります。この契約は10年で合計250億円という金額ですから、船舶会社としては,黙ってもお金が入ってくる非常に魅力的な取引ですが,現場の船員にとっては,「後方支援」の名の下,いつ攻撃されるか分からない危険な状態におかれます。そして、これらの船舶会社に就職する際に,予備自衛官補になることを条件としています。それを拒否すれば下船させられます。」
(出典:国家賠償請求訴訟 平成28年(ワ)13525号 2016年12月2日 第2回 口頭弁論 報告会資料(意見陳述全文掲載)裁判資料・国家賠償請求訴訟安保法制違憲訴訟の会
(索引:予備自衛官補,安保法制)

(出典:安保法制違憲訴訟の会
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憲法9条は、船舶の安全を守った。事例として、1980年に始まったイラン・イラク戦争の際に、攻撃を受け被弾した世界全体の船舶は407隻、333人の死者、317人の負傷者が出るなか、日本船は被弾ゼロであった。(本望隆司)

憲法9条は、船舶の安全を守った

【憲法9条は、船舶の安全を守った。事例として、1980年に始まったイラン・イラク戦争の際に、攻撃を受け被弾した世界全体の船舶は407隻、333人の死者、317人の負傷者が出るなか、日本船は被弾ゼロであった。(本望隆司)】

(1)日本国憲法前文
「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」(出典:日本国憲法憲法条文・重要文書日本国憲法の誕生電子展示会国立国会図書館
 (1.1)「人間相互の関係を支配する崇高な理想」とは何か。
  様々な民族、宗教、思想、信条、価値観の違いがあっても、人間はお互いに理解し合い、認め合い、助け合うという関係を維持できるとする考えである。
 (1.2)「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持」するとは、どのようなことか。
  いかなる国の国民であっても平和を愛しており、何が公正で正義にかなっているのかを理解することができ、お互いに約束を守るという関係をつくることができると信頼して、安全と生存を保持することである。武力による威嚇や武力の行使によって、安全と生存を保持することではない(第9条)。

「私は、1962 年から 1987 年まで、主にタンカーや鉱石船で資源を運搬する船舶に乗船しました。印象深いのは、1980 年に始まったイラン・イラク戦争の際に、ペルシャ湾内を航行する船舶を攻撃すると両国が言いだしたときです。日本船も対象になるということで、大変な問題になりました。
 この時、タンカー攻撃を避けて日本の石油輸送を守ることができたのは、憲法 9 条のおかげでした。つまり日本がいずれの国にも武力で加担しない中立国であるとの認識が国際的に確立していたからです。日本船をペルシャ湾の入り口にまとめ、船団を組んでペルシャ湾に入ることを外交ルートを通じて両国に通報し、タンカーにはデッキと船側に日本船と判明できるよう、大きな日の丸を描いて視認できる日中に航行しました。当時攻撃を受け被弾した世界全体の船舶は 407 隻、333 人の死者、317 人の負傷者が出ました。しかし日本船は被弾ゼロ、日本人船員は外国籍船の乗船者のみ 2名の犠牲を出しました。(1999 年 5 月 18 日参議院「新ガイドライン関連法」特別委員会中央広聴会での海員組合・平山公述人の口述から)こうして、日本船は攻撃をまぬがれ石油輸送を守ったのです。」
(出典:国家賠償請求訴訟 平成28年(ワ)13525号 2016年12月2日 第2回 口頭弁論 報告会資料(意見陳述全文掲載)裁判資料・国家賠償請求訴訟安保法制違憲訴訟の会
(索引:日本国憲法第9条)

(出典:安保法制違憲訴訟の会
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平和的生存権は、第13条をはじめ憲法第3章に規定される基本的人権の基礎にあって、これら権利の享有を可能ならしめる基底的権利であり、第9条を中核規定として、全ての個別的権利と不可分に結びついた具体的権利である。(黒岩哲彦(1953-))

平和的生存権の権利性・被侵害利益性

【平和的生存権は、第13条をはじめ憲法第3章に規定される基本的人権の基礎にあって、これら権利の享有を可能ならしめる基底的権利であり、第9条を中核規定として、全ての個別的権利と不可分に結びついた具体的権利である。(黒岩哲彦(1953-))】

(1)現代において、憲法の保障する基本的人権が平和の基盤なしには存立し得ない。従って、平和的生存権は、全ての基本的人権の基礎にあって、その享有を可能ならしめる基底的権利と言える。(自衛隊イラク派遣差止等請求事件の名古屋高裁判決(青山判決))
 理由。
 (1.1)法規範性を有するというべき憲法前文が、『平和のうちに生存する権利』を明言している。
 (1.2)憲法9条が、国の行為の側から客観的制度として、戦争放棄や戦力不保持を規定している。
 (1.3)人格権を規定する憲法13条をはじめ、憲法第3章が個別的な基本的人権を規定している。
(2)従って、「この平和的生存権は、局面に応じて自由権的、社会権的又は参政権的な態様をもって表れる複合的な権利ということができ、裁判所に対して保護・救済を求め法的強制措置の発動を請求し得るという意味における具体的権利性が肯定される場合がある」。

「―平和的生存権の権利性・被侵害利益性―
1 原告らは、新安保法制法によって侵害される原告らの権利・法的利益として、第1に平和的生存権を主張するものであるが、これに対し、被告は、答弁書において、原告ら主張の被侵害利益は、いずれも具体的な法的利益ではなく、国家賠償法上保護された権利ないし法的利益の侵害をいうものでもないから、主張自体失当であると主張している。そこで、本準備書面では、平和的生存権の権利性・被侵害利益性について主張を補充するものである。
 平和的生存権は、平和のための世界的な努力(平和的生存権の根拠1)、憲法前文、9条、13条をはじめとする第3章の諸条項の憲法の規定(平和的生存権の根拠2)、憲法学説の研究の成果と裁判例(平和的生存権の根拠3)、和を守るための動き(平和的生存権の根拠4)により、平和的生存権の具体的権利性・裁判規範性は認められる。
2 平和的生存権を認めた主要な裁判例は、①長沼訴訟(福島判決)、②自衛隊イラク派遣差止等請求事件の名古屋地裁判決(田近判決)、③自衛隊イラク派遣差止等請求事件の名古屋高裁判決(青山判決)、④自衛隊イラク派遣違憲確認等請求事件の岡山地裁判決(近下判決)がある。
 自衛隊イラク派遣差止等請求事件の名古屋高裁判決(青山判決)は、平和的生存権について、「このような平和的生存権は、現代において憲法の保障する基本的人権が平和の基盤なしには存立し得ないことからして、全ての基本的人権の基礎にあってその享有を可能ならしめる基底的権利であるということができ、単に憲法の基本的精神や理念を表明したに留まるものではない。法規範性を有するというべき憲法前文が上記のとおり『平和のうちに生存する権利』を明言している上に、憲法9条が国の行為の側から客観的制度として戦争放棄や戦力不保持を規定し、さらに、人格権を規定する憲法13条をはじめ、憲法第3章が個別的な基本的人権を規定していることからすれば、平和的生存権は、憲法上の法的な権利として認められるべきである。そして、この平和的生存権は、局面に応じて自由権的、社会権的又は参政権的な態様をもって表れる複合的な権利ということができ、裁判所に対して保護・救済を求め法的強制措置の発動を請求し得るという意味における具体的権利性が肯定される場合がある」としている。
 なお、1990年代初頭に湾岸戦争における多国籍軍への戦費支出・自衛隊掃海艇の派遣等の違憲を主張する「市民平和訴訟」についての1996(平成8)年5月10日東京地裁判決が、「いまだ主権国家間、民族、地域間の対立による武力紛争が地上から除去されていない国際社会において、全世界の国民の平和のうちに生存する権利を確保するため、政府は、憲法九条の命ずるところに従い、平和を維持するよう努め、国民の基本的人権を侵害抑圧する事態を生じさせることのないように努めるべき憲法上の責務を負うものということができ、この責務に反した結果、基本的人権について違法な侵害抑圧が具体的に生じるときは、この基本的人権の侵害を理由として裁判所に対して権利救済を求めることは可能といえよう。」と判示した点は、平和的生存権を考える上でも軽視すべきでない。」
(出典:国家賠償請求訴訟 平成28年(ワ)13525号 2016年12月2日 第2回 口頭弁論 報告会資料(意見陳述全文掲載)裁判資料・国家賠償請求訴訟安保法制違憲訴訟の会
(索引:日本国憲法第9条,日本国憲法第13条,平和的生存権,基本的人権の基底的権利,基底的権利)

(出典:安保法制違憲訴訟の会
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新安保法制法の立法行為は、明白な違憲立法の制定行為であり、「立法の内容が国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合」にあたる。(伊藤真(1958-))

立法行為の違法性

【新安保法制法の立法行為は、明白な違憲立法の制定行為であり、「立法の内容が国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合」にあたる。(伊藤真(1958-))】

(1)例外的に立法行為の違法性が肯定され、国家賠償法1条1項の規定が適用される場合。
 (1.1)容易に想定し難いような例外的な場合
  「国会議員の立法行為は、立法の内容が憲法の一義的な文言に違反しているにもかかわらず国会があえて当該立法を行うというごとき、容易に想定し難いような例外的な場合でない限り、国家賠償法一条一項の規定の適用上、違法の評価を受けない」(在宅投票制度訴訟の上告審判決(最高裁昭和60年11月21日第一小法廷判決・民集39巻7号1512頁。以下,「昭和 60 年判決」という。))
 (1.2)憲法上保障されている権利の侵害が明白な場合。
  「立法の内容が国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合」にも例外的に,国会議員の立法行為は,国家賠償法1条1項の規定の適用上,違法の評価を受ける(在外邦人選挙権制限違憲訴訟上告審判決(最高裁判所大法廷平成17年9月14日民集59巻7号2087頁。以下,「平成17年判決」という。))
 (1.3)立法行為の違法性を肯定するための検討要素(ハンセン病訴訟熊本地裁判決(熊本地裁平成13年5月11日判決))
  (a)少数者の人権保障を脅かしかねない危険性
  (b)人権被害の重大性
  (c)司法的救済の必要性の高さ
(2)本件の新安保法制法の立法行為は、明白な違憲立法の制定行為であり、「立法の内容が国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合」にあたる。
 (a)少数者の人権侵害
  戦争被害者、原爆被害者、基地周辺住民等として特に、平和的生存権、人格権の重大な侵害を受けている少数者の人権被害を招いている。
 (b)極めて特殊で例外的な場合
  多くの憲法学者、元内閣法制局長官、元最高裁長官までもが違憲と指摘する法律を採決の強行により制定してしまうことは、これまで前例がなく「極めて特殊で例外的な場合」にあたる。
 (c)司法的救済の必要の高さ
  内閣法制局による事前の憲法統制がこれまでのように機能しなかったのであるから、司法的な救済の必要性は極めて高い。
 (d)新安保法制の違憲性の判断の必要性
  原告らは一様に、今回の新安保法制による憲法破壊、憲法9条の平和主義の毀損によって、大きな精神的苦痛を被っている。この原告らの損害の重大性、人権侵害の重大性を判断するためには、どれほど無謀な憲法破壊が行われたのか、憲法9条がどのように破壊されたのかを明らかにする必要がある。つまり、新安保法制の違憲性を判断しなければ、原告らの被害の重大性も、立法行為の違法性も判断することができないのである。

「1 最高裁昭和 60 年判決と平成 17 年判決
 本件訴訟においては,原告は、国会の新安保法制法の制定行為が国家賠償法上の公権力の行使として違法であることを主張している。この点に関し、いわゆる在宅投票制度訴訟の上告審判決(最高裁昭和60年11月21日第一小法廷判決・民集39巻7号1512頁。以下,「昭和 60 年判決」という。)において,「国会議員の立法行為は、立法の内容が憲法の一義的な文言に違反しているにもかかわらず国会があえて当該立法を行うというごとき、容易に想定し難いような例外的な場合でない限り、国家賠償法一条一項の規定の適用上、違法の評価を受けない」とされた。
 しかし、その後,最高裁は,いわゆる在外邦人選挙権制限違憲訴訟上告審判決(最高裁判所大法廷平成17年9月14日民集59巻7号2087頁。以下,「平成17年判決」という。)において,上記昭和 60 年判決を維持しつつも,国会議員の立法行為が国家賠償法1条1項の適用において違法となるとして,原告に対する国家賠償を認容している。
 そこでは、「立法の内容が国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合」にも例外的に,国会議員の立法行為は,国家賠償法1条1項の規定の適用上,違法の評価を受けるものとされた。
 この2つの判決の関係について、再婚禁止期間に関する最高裁大法廷平成27年12月16日判決の判例評釈を執筆された加本牧子最高裁判所調査官は,「昭和60年判決は、違法になる場合をその例示のような事案以外につき一切否定したものとは解されないし、平成 17 年判決も、立法行為等の違法性が認められる場合が『例外的な場合』であるとする点で同旨」と述べている(「最高裁大法廷 時の判例」ジュリスト1490号94頁)。
 2 ハンセン病訴訟熊本地裁判決の考慮要素について
 事例判断という点で、参考になるものが、いわゆるハンセン病訴訟熊本地裁判決(熊本地裁平成13年5月11日判決)である。そこでは、少数者の人権保障を脅かしかねない危険性、新法の隔離規定が存続することによる人権被害の重大性とこれに対する司法的救済の必要性等が検討されている。
 結局、「立法の内容が国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合」(平成17年判決)には、例外的に立法行為の違法性が肯定され、その判断にあたっては、少数者の人権保障を脅かしかねないか、人権被害が重大か、司法的救済の必要が高いかなどの考慮要素を検討するべきなのである。
3 本件は国家賠償が認められるべき例外的な場合である
 本件の新安保法制法の立法行為は,明白な違憲立法の制定行為であり,「立法の内容が国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合」にあたる。すなわち、新安保法制法の制定行為は,歴代の日本政府の見解が違憲であるとしてきた集団的自衛権の行使や非戦闘地域以外における後方支援を認めるものであり,戦争被害者、原爆被害者、基地周辺住民等として特に、平和的生存権、人格権の重大な侵害を受けている少数者の人権被害を招いている立法行為である。
 また、内閣法制局による事前の憲法統制がこれまでのように機能しなかったのであるから、司法的な救済の必要性は極めて高いといえる。多くの憲法学者、元内閣法制局長官、元最高裁長官までもが違憲と指摘する法律を採決の強行により制定してしまうことは、これまで前例がなく「極めて特殊で例外的な場合」にあたる。 以上から、本件新安保法制法の国会議員による制定行為は、国家賠償法1条1項の適用上、優に違法と評価されるべきものである。
4 最後に
 この後の原告らによる意見陳述から明らかなように、原告らは一様に、今回の新安保法制による憲法破壊、憲法 9 条の平和主義の毀損によって、大きな精神的苦痛を被っている。この原告らの損害の重大性、人権侵害の重大性を判断するためには、どれほど無謀な憲法破壊が行われたのか、憲法 9 条がどのように破壊されたのかを明らかにする必要がある。つまり、新安保法制の違憲性を判断しなければ、原告らの被害の重大性も、立法行為の違法性も判断することができないのである。
 裁判所には今回の新安保法制の立法内容の違憲性に真正面から向き合って、原告の救済を図る責務があると考える。そしてその判断を通じて、この国の憲法秩序を回復する重大な職責があると考える。
 この裁判では、多岐にわたる論点を争うことになるが、憲法秩序を破壊する政治部門に対して司法がどうあるべきか、その姿勢と司法の存在意義が問われていることは間違いない。裁判を多くの国民が注視している中、国民の司法への期待と信頼を裏切ってはならないこと、そして憲法価値を実現する職責が裁判所にあることを、この裁判の冒頭に申し添えておきたい。
以上」
(出典:国家賠償請求訴訟 平成28年(ワ)13525号 2016年9月2日 第1回 口頭弁論 報告会資料(意見陳述全文掲載)修正版裁判資料・国家賠償請求訴訟安保法制違憲訴訟の会
(索引:立法行為の違法性,国家賠償法,権利侵害が明白な場合,安保法制)

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安保法制違憲訴訟の会(2016-)(Collection of propositions of great philosophers)
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安保法制の採決に関わった国務大臣及び国会議員は、この法律が違憲または憲法改正が必要であることを知り、さらには平和的生存権を侵害するものであることを、知り得べきであり、回避可能な侵害を発生させたことに過失がある。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)

国務大臣及び国会議員の過失

【安保法制の採決に関わった国務大臣及び国会議員は、この法律が違憲または憲法改正が必要であることを知り、さらには平和的生存権を侵害するものであることを、知り得べきであり、回避可能な侵害を発生させたことに過失がある。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)】
「第5 公務員の故意・過失及び因果関係
1 公務員の故意・過失
 従前の集団的自衛権の行使等が憲法に反するという確定的憲法解釈や圧倒的多数の新安保法制法案は違憲であるとの指摘等を無視して、憲法改正手続をとることなく行われた新安保法制法の制定の経緯に鑑みれば、これに係る内閣(その構成員である各国務大臣)による26・7閣議決定、27・5閣議決定及び同法案の国会提出並びに国会(その構成員である国会議員)による同法案の可決等をするに当たっては、上記国務大臣及び国会議員は、新安保法制法案が違憲であり、これを制定したときは原告らの権利を侵害することを知り、これを容認していたか(故意)、少なくともこれを容易に知り、又は知り得べきであり、侵害を回避することが可能であったのにこれを怠った過失があります。」
(出典:国家賠償請求訴訟 平成28年(ワ)13525号 2016年4月26日 訴状裁判資料・国家賠償請求訴訟安保法制違憲訴訟の会
目 次 ※印は、上記引用文の記載箇所を示す。
第5 公務員の故意・過失及び因果関係
※1 公務員の故意・過失
2 加害行為と損害との因果関係
第6 結論
第7 さいごに
(索引:安保法制,国務大臣及び国会議員の過失)

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参議院平和安全法制特別委員会における採決は、地方公聴会の報告もなされず、総括質疑も行わず、不意をついて与党議員が委員長席を取り囲んで野党議員を排除し、「議場騒然、聴取不能」としか速記に記録されない混乱の中で「可決」された。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)

参議院平和安全法制特別委員会

【参議院平和安全法制特別委員会における採決は、地方公聴会の報告もなされず、総括質疑も行わず、不意をついて与党議員が委員長席を取り囲んで野党議員を排除し、「議場騒然、聴取不能」としか速記に記録されない混乱の中で「可決」された。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)】
「ウ 新安保法制法は、前記のように規範性を有する憲法9条の解釈を変更し、その内容を法律によって改変してしまおうとするものです。それは本来、憲法96条1項に定める国会の発議と国民投票の手続をとらなければできないことであるにもかかわらず、これを潜脱するものです。しかも、この憲法改正の手続を回避して採られた立法の国会審議の過程においては、多くの国民・市民及び野党の反対を押し切った採決が強行され、中でも参議院平和安全法制特別委員会における採決は、地方公聴会の報告もなされず、総括質疑も行わず、不意をついて与党議員が委員長席を取り囲んで野党議員を排除し、「議場騒然、聴取不能」としか速記に記録されない混乱の中で「可決」したとされる異様なものでありました。それは、国民から負託された国会による代表制民主主義をも蹂躙しつつ、本来憲法改正手続を踏まなければできないはずの、実質的な憲法改変を強行したものでありました。新安保法制法の制定は、このようにして、原告ら国民が自らの意思に基づいて憲法の条項と内容を決定する前記憲法改正・決定権をないがしろにし、これを侵害するものです。
 そして、集団的自衛権の行使等は、このように原告らの憲法改正・決定権を侵害し、蹂躙した手続によって制定された新安保法制法の現実の適用・実施過程であり、また、これが反復されることによって、その侵害の結果を既成事実化することになります。そしてこの現実の適用、実施、既成事実化を通じて、本来憲法9条に違反するものであったはずの新安保法制法、その集団的自衛権の行使等に係る根拠法条が、これまでの憲法9条の規範内容にとって代わって、実質的な規範として通用する状態が事実上形成され、これが定着してしまうことになります。しかも、集団的自衛権の行使等は、一旦それがなされれば日本の国全体を後戻りのきかない戦争状態に引き込むことになりかねないものであり、そこではもはや憲法9条の平和主義の規範自体が死文化してしまうのです。」
(出典:国家賠償請求訴訟 平成28年(ワ)13525号 2016年4月26日 訴状裁判資料・国家賠償請求訴訟安保法制違憲訴訟の会
目 次 ※印は、上記引用文の記載箇所を示す。
4 原告らの権利、利益の侵害(概論)
(1) 平和的生存権の侵害
(2) 人格権侵害
※(3) 憲法改正・決定権侵害
(索引:安保法制,日本国憲法第9条,参議院平和安全法制特別委員会)

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人間の尊厳を蹂躙し悲惨を極めた過去の戦争体験者にとって、平和のうちに生きる権利は、人格と一体化し、その核心部分を構成する。国際平和を実現する制度的裏づけである憲法第9条の改変は、人格に対する具体的な危害となっており、平和的生存権を侵害する。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)

平和的生存権

【人間の尊厳を蹂躙し悲惨を極めた過去の戦争体験者にとって、平和のうちに生きる権利は、人格と一体化し、その核心部分を構成する。国際平和を実現する制度的裏づけである憲法第9条の改変は、人格に対する具体的な危害となっており、平和的生存権を侵害する。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)】
「ウ 平和的生存権の侵害  原告らは、このような集団的自衛権の行使又は後方支援活動等の実施を容認した新安保法制法の提出に係る内閣の行為及び国会の議決によって、上記のような平和的生存権を侵害されました。すなわち、原告らは、日本人310万人、世界では5200万人の死者を生じた第二次世界大戦など悲惨を極めた過去の戦争の結果、そこでの人間の尊厳の蹂躙、生存者にも残る癒えない傷痕など、政府の行為によって再びかかる戦争の惨禍が起こることのないことを心から希求し、憲法前文及び9条に基づいて、戦争を放棄して戦力を持たず、武力を行使することのない平和国家日本の下で平和のうちに生きる権利を有しています。とりわけ、原告らのうち戦争の体験を有する者、例えば空襲被害者、原爆被害者等の戦争被害者は、戦火の中を逃げまどい、生命の危険にさらされ、家族を失う等の極限的な状況に置かれ、心身に対する深い侵襲を受けて、二度と戦争による被害や加害があってはならないことを身をもって痛感し、その体験を戦後70年間背負って生きてきた者です。平和憲法、なかんずく9条の規定は、その痛苦の体験の代償として得られたかけがえのないものであり、平和のうちに生きる権利は、これら原告の人格と一体となって、その核心部分を構成しています。
 このような平和的生存権は、戦争の被害者となることを拒否するばかりでなく、他国に対する軍事的手段による加害行為に加担することなく、みずからの平和的確信に基づいて生きる権利等を包含するものであります。
 ところが、新安保法制法の制定は、このような原告らの平和的生存権を蹂躙し、侵害するものです。集団的自衛権の行使や後方支援活動等の実施は、日本が自ら他国の攻撃に加担し、武力の行使や兵站活動等を行って、他国の国土を破壊し、その国民・市民を死傷させるものであるとともに、戦争の当事国となった日本は、当然に、敵対国から国土に攻撃を受け、あるいはテロリズムの対象となることを覚悟しなければならないのであり、原告らを含む日本の国民・市民の全部が、戦争体制に突入し、その犠牲を覚悟しなければならないことになります。このようなものとしての集団的自衛権の行使等を容認する新安保法制法の制定は、日本が実際に戦争に突入した場合はもちろんであるが、それに至らない段階においても、その具体的危険を生ぜしめるものとして、原告ら国民・市民の平和的生存権を侵害するものであります。」
(出典:国家賠償請求訴訟 平成28年(ワ)13525号 2016年4月26日 訴状裁判資料・国家賠償請求訴訟安保法制違憲訴訟の会
目 次 ※印は、上記引用文の記載箇所を示す。
4 原告らの権利、利益の侵害(概論)
※(1) 平和的生存権の侵害
(2) 人格権侵害
(3) 憲法改正・決定権侵害
(索引:平和的生存権,日本国憲法第9条,戦争体験者)

(出典:安保法制違憲訴訟の会
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基本的人権と個人の尊厳を保障するためには、国際平和の実現が基本的な前提条件であり、日本国憲法は第9条によって、その制度的な裏づけを与えた。従って、平和的生存権は具体的な法規範性を有する。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)

平和的生存権の具体的権利性

【基本的人権と個人の尊厳を保障するためには、国際平和の実現が基本的な前提条件であり、日本国憲法は第9条によって、その制度的な裏づけを与えた。従って、平和的生存権は具体的な法規範性を有する。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)】
「ア 平和的生存権の具体的権利性
 日本国憲法前文は、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」、また、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意し」、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と規定しています。
 平和は、国民・市民が基本的人権を保障され、人間の尊厳に値する生活を営む基本的な前提条件であり、日本国憲法は、全世界の国民・市民が有する「平和のうちに生存する権利」を確認することに基づいて国際平和を実現し、その中で基本的人権と個人の尊厳を保障しようとしました。したがって、平和のうちに生存する権利は、全ての基本的人権の基礎にあって、その享有を可能ならしめる基底的権利であり、単に憲法の基本的精神や理念を表明したにとどまるものではなく、法規範性を有するものと解されるべきものです。この平和的生存権の具体的権利性は、また、包括的な人権を保障する憲法13条の規定によってその内容をなすものとして根拠づけられるととともに、憲法9条の平和条項によって制度的な裏付けを与えられています。
 とりわけ、憲法9条に反する国の行為によって、国民・市民の生命、自由等が侵害され、又はその危険にさらされ、あるいは国民・市民が憲法9条に違反する戦争の遂行等への加担・協力を強いられるような場合(前記2の(2)ないし(4)に掲げた「各事態においてとられる措置と国民の権利制限・義務等」参照)、これに対する救済を求める法的根拠として、平和的生存権の具体的権利性が認められなければなりません(前記名古屋高裁平成20年4月17日判決参照)。」
(出典:国家賠償請求訴訟 平成28年(ワ)13525号 2016年4月26日 訴状裁判資料・国家賠償請求訴訟安保法制違憲訴訟の会
目 次 ※印は、上記引用文の記載箇所を示す。
4 原告らの権利、利益の侵害(概論)
※(1) 平和的生存権の侵害
(2) 人格権侵害
(3) 憲法改正・決定権侵害
(索引:平和的生存権,日本国憲法第9条,平和的生存権の具体的権利性)

(出典:安保法制違憲訴訟の会
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検索(憲法改正)
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外国の軍隊に対する物品及び役務の提供のうち、弾薬を含む武器の提供や、航空機に対する給油・整備を除外し、非戦闘地域における活動に制限してきたが、今やこの制限はない。現に戦闘が行われていなければよいとされている。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)

後方支援活動等の武力行使性

【外国の軍隊に対する物品及び役務の提供のうち、弾薬を含む武器の提供や、航空機に対する給油・整備を除外し、非戦闘地域における活動に制限してきたが、今やこの制限はない。現に戦闘が行われていなければよいとされている。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)】
(1)安保法制成立以前の政府の解釈
 (1.1)後方支援活動等は、それ自体は戦闘行為そのものではないとしても、相手国から見れば一体として武力を行使しているものとして攻撃の対象となり得る。
 (1.2)他国軍隊の武力行使と「一体化」しなければ憲法上の問題を生じない。
  その条件は、以下のとおり。
  (a)「現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」(周辺事態法(平成11年))
  (b)物品・役務の提供から、弾薬を含む武器の提供、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油・整備を除外する。
(2)安保法制後の政府の解釈
 (2.1)他国軍隊の武力行使と「一体化」しなければ憲法上の問題を生じない。
  その条件は、以下のとおり。
  (a)「現に戦闘行為を行っている現場」ではない場所であれば、そこで実施する日本の支援活動については、そもそも当該他国の武力行使と一体化するものではない。
  (b)その場所が「現に戦闘行為を行っている現場」になる場合には、その活動を休止・中断すればよい(26・7閣議決定)。
  (c)弾薬の提供や、戦闘行為のために発進準備中の航空機に対する給油・整備までも許容される。

「(3) 後方支援活動等の他国軍隊の武力の行使と一体化
ア 名古屋高裁平成20年4月17日判決(判例タイムズ1313号137頁-自衛隊のイラク派遣差止訴訟)は、イラクにおいて航空自衛隊が多国籍軍の武装兵員を空輸した行為につき、「他国による武力行使と一体化した行動であって、自らも武力の行使を行ったと評価を受けざるを得ない行動であるということができる」と判示しました。
 後方支援活動等は、それ自体は戦闘行為そのものではないとしても、相手国から見れば一体として武力を行使しているものとして攻撃の対象となり得るものであり、法的にも武力の行使と評価され得るものです。従来の政府解釈では、このような一体化論を前提として(つまり、後方支援活動等が、法的に武力行使とみられることがあることを前提にして)、他国軍隊の武力行使と「一体化」しなければ憲法上の問題を生じないとの 解釈が行われてきました。
 具体的には、まず平成2年の湾岸戦争での多国籍軍支援のための「国際連合平和協力法案」(不成立)の際に問題になりましたが、その後、周辺事態法(平成11年)において、米軍の支援を行うことができる地域を「後方地域」すなわち「現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」に限定することによって、米軍の武力行使と一体化しない法律上の担保とする仕組みがとられました。同時に、後方地域支援活動としての米軍に対する物品・役務の提供から、弾薬を含む武器の提供、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油・整備を除外しました。そして旧テロ特措法(平成13年)においても、周辺事態法の上記「後方地域」と同じ文言で定められた地域に協力支援活動等を限定して、多国籍軍との武力行使の一体化が生じないようにすることとされました。すなわち、ここで限定された活動地域は(法文上の用語ではない)「非戦闘地域」と称され、「戦闘地域」と「非戦闘地域」という区別が議論の焦点となり、自衛隊の活動領域を「非戦闘地域」に限定し、「非戦闘地域」での協力支援活動等は武力行使に当たらないとして、法文上この問題を解決しようとしました。旧イラク特措法(平成15年)においても同様の解釈が行われました。
 しかしながら、この立法と解釈自体、相当に危険をはらんでいるものでありました。現に、イラク派遣の実態は、「非戦闘地域」とされたサマワの自衛隊の宿営地に迫撃砲やロケット弾による攻撃が10回以上発生していることや、前記のとおり名古屋高裁判決が航空自衛隊による武装兵員の輸送を武力行使と一体化したものと判断しているように、問題を残すものでありました。
 イ ところが、重要影響事態法と国際平和支援法は、さらに要件を緩め、従来の「後方地域」「非戦闘地域」に自衛隊が活動する地域を区切って限定することにより、他国軍隊との武力行使の一体化の問題が生じない担保とする枠組みに依拠することなく、「現に戦闘行為を行っている現場」ではない場所であれば、そこで実施する日本の支援活動については、そもそも当該他国の武力行使と一体化するものではないという考え方を採ることとし、状況の変化に応じて、その場所が「現に戦闘行為を行っている現場」になる場合には、その活動を休止・中断すればよいものとしたのです(26・7閣議決定)。
 加えて、重要影響事態法と国際平和支援法は、後方支援活動等の内容として、弾薬の提供や、戦闘行為のために発進準備中の航空機に対する給油・整備までも許容します。これは他国軍隊の武力行使への直接の支援にほかなりません。
 政府は、それでも「武力行使の一体化」は生じないとするのですが、これは戦闘の実態に目をつぶった欺瞞であると言わざるを得ません。これによれば、自衛隊は、現に戦闘行為が行われていなければ、そのすぐ近くの地域であっても支援活動が可能であることになり、そのような場所で弾薬の提供まで含む兵站活動を行っている自衛隊は、相手国から見れば、武力を行使する他国の軍隊とまさに一体となって武力を行使する支援部隊と見られ、相手国からの攻撃の対象とされることは避けられないでしょう。そして自衛隊がこれに反撃し、交戦状態へと突き進む危険性は極めて高いといえます。
 従来の、危ういながら、「非戦闘地域」という枠組みによってかろうじて合憲性の枠内に留まるとされてきた後方支援活動等ではありましたが、その枠組みさえも取り払われ、弾薬の提供等まで許容した上記二つ法律においては、もはやそのような説明は成り立たず、これによる自衛隊の後方支援活動等は他国軍隊の武力の行使と一体化し、又はその危険性の高いものとして、憲法9条に違反するものであることが明らかです。」
(出典:国家賠償請求訴訟 平成28年(ワ)13525号 2016年4月26日 訴状裁判資料・国家賠償請求訴訟安保法制違憲訴訟の会
目 次 ※印は、上記引用文の記載箇所を示す。
3 後方支援活動等の実施はいずれも違憲であること
(1) 後方支援活動等の軍事色強化
(2) 後方支援活動等の武力行使性
※(3) 後方支援活動等の他国軍隊の武力の行使と一体化
(4) 後方支援活動等の違憲性
(索引:日本国憲法第9条,安保法制,後方支援活動等の武力行使性)

(出典:安保法制違憲訴訟の会
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検索(安保法制)
検索(憲法改正)
検索(憲法9条)

外国の軍隊に対する物品及び役務の提供は、それ自体は武力行使には当たらないとしても、他国の武力行使と一体になることによって、憲法が禁止する「武力の行使」と評価される。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)

後方支援活動等の武力行使性

【外国の軍隊に対する物品及び役務の提供は、それ自体は武力行使には当たらないとしても、他国の武力行使と一体になることによって、憲法が禁止する「武力の行使」と評価される。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)】
「(2) 後方支援活動等の武力行使性
 ここで後方支援活動等とされるものは、外国の軍隊に対する物品及び役務の提供であって、一般に「兵站」と呼ばれているものです。自衛隊の後方支援活動等において問題となるのは、これらが憲法の禁ずる「武力の行使」に当たらないかという点です。すなわち、直接戦闘行為に加わらなくても、また、自衛隊の活動自体が武力行使に当たらないとしても、他国の武力行使と一体になることによって、結局、憲法9条が禁止する「武力の行使」と評価されるのではないかという問題です。」
(出典:国家賠償請求訴訟 平成28年(ワ)13525号 2016年4月26日 訴状裁判資料・国家賠償請求訴訟安保法制違憲訴訟の会
目 次 ※印は、上記引用文の記載箇所を示す。
第2 集団的自衛権の行使等を容認する新安保法制法は違憲であり、その制定に係る内閣及び国会の行為は違法であること
3 後方支援活動等の実施はいずれも違憲であること
(1) 後方支援活動等の軍事色強化
※(2) 後方支援活動等の武力行使性
(3) 後方支援活動等の他国軍隊の武力の行使と一体化
(4) 後方支援活動等の違憲性
(索引:日本国憲法第9条,安保法制,後方支援活動等の武力行使性)

(出典:安保法制違憲訴訟の会
安保法制違憲訴訟の会(2016-)(Collection of propositions of great philosophers)
安保法制違憲訴訟の会(2016-)
安保法制違憲訴訟の会
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(1)日本への武力攻撃だけでなく、(1')日本との密接関係国への攻撃に対する自衛措置があり得ると仮に想定しても、(1')の危険の評価、危険に対する多様な対処、実力行使の妥当性の判断は、極めて曖昧で困難である。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)

実力行使の妥当性判断の困難さ

【(1)日本への武力攻撃だけでなく、(1')日本との密接関係国への攻撃に対する自衛措置があり得ると仮に想定しても、(1')の危険の評価、危険に対する多様な対処、実力行使の妥当性の判断は、極めて曖昧で困難である。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)】

「第2要件(他に適当な手段がないこと)及び第3要件(必要最小限度の実力の行使)は、表現はこれまでの自衛権発動の3要件と類似していますが、前提となる第1要件があいまいになれば、第2要件、第3要件も必然的にあいまいなものになります。例えば、国会審議を含めて政府から繰り返し強調されたホルムズ海峡に敷設された機雷掃海についてみれば、第1要件のいう「我が国の存立が脅かされ、国民の生命等が根底から脅かされる」のは、経済的影響でも足りるのか、日本が有する半年分の石油の備蓄が何か月分減少したら該当するのか、そのときの国際情勢や他国の動きをどう評価・予測するのかなどの判断のしかたに左右され、第2要件の「他の適当な手段」として、これらに関する外交交渉による打開の可能性、他の輸入ルートや代替エネルギーの確保の可能性などの判断も客観的基準は考えにくく、さらに第3要件の「必要最小限度」も第1要件・第2要件の判断に左右されて、派遣する自衛隊の規模、派遣期間、他国との活動分担などの限度にも客観的基準を見出すことは困難です。
 以上に加えて、平成25年12月に制定された特定秘密保護法により、防衛、外交、スパイ、テロリズム等の安全保障に関する情報が、政府の判断によって国民に対して秘匿される場合、「外国に対する武力攻撃」の有無・内容、その日本及び国民への影響、その切迫性等を判断する偏りのない十分な資料を得ることすらできず、政府の「総合的判断」の是非をチェックすることができないのです。」
(出典:国家賠償請求訴訟 平成28年(ワ)13525号 2016年4月26日 訴状裁判資料・国家賠償請求訴訟安保法制違憲訴訟の会
目 次 ※印は、上記引用文の記載箇所を示す。
第2 集団的自衛権の行使等を容認する新安保法制法は違憲であり、その制定に係る内閣及び国会の行為は違法であること
1 新安保法制法制定の経緯
2 集団的自衛権の行使が違憲であること
(1) 集団的自衛権の行使容認
(2) 憲法9条の解釈における集団的自衛権行使の禁止
(3) 閣議決定と新安保法制法による集団的自衛権行使の容認
※(4) 集団的自衛権行使容認の違憲性
(5) 立憲主義の否定
(索引:日本国憲法第9条,安保法制,実力行使の妥当性判断の困難さ)

(出典:安保法制違憲訴訟の会
安保法制違憲訴訟の会(2016-)(Collection of propositions of great philosophers)
安保法制違憲訴訟の会(2016-)
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(1)日本への武力攻撃だけでなく、(1')日本との密接関係国への攻撃に対する自衛措置があり得ると仮に想定しても、(1)は事実として明確であるのに対し、(1')は評価の問題であり、客観的限定性に欠ける点で、本質的に異なる事態である。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)

法の客観的限定性の欠如

(1)日本への武力攻撃だけでなく、(1')日本との密接関係国への攻撃に対する自衛措置があり得ると仮に想定しても、(1)は事実として明確であるのに対し、(1')は評価の問題であり、客観的限定性に欠ける点で、本質的に異なる事態である。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)】
「そして第1要件についていえば、「我が国に対する武力攻撃」があったかなかったかは事実として明確であるのに対し、他国に対する武力攻撃が「我が国の存立を脅かす」かどうか、「国民の生命、自由及び幸福追求の権利を覆す」かどうかは、評価の問題であるから、極めてあいまいであり、客観的限定性を欠きます。「密接な関係」「根底から覆す」「明白な危険」なども全て評価概念であり、その該当性は判断する者の評価によって左右されます。そして法案審議における政府の国会答弁によれば、この事態に該当するかどうかは、結局のところ、政府が「総合的に判断」するというのです。」
(出典:国家賠償請求訴訟 平成28年(ワ)13525号 2016年4月26日 訴状裁判資料・国家賠償請求訴訟安保法制違憲訴訟の会
目 次 ※印は、上記引用文の記載箇所を示す。
第2 集団的自衛権の行使等を容認する新安保法制法は違憲であり、その制定に係る内閣及び国会の行為は違法であること
1 新安保法制法制定の経緯
2 集団的自衛権の行使が違憲であること
(1) 集団的自衛権の行使容認
(2) 憲法9条の解釈における集団的自衛権行使の禁止
(3) 閣議決定と新安保法制法による集団的自衛権行使の容認
※(4) 集団的自衛権行使容認の違憲性
(5) 立憲主義の否定
(索引:日本国憲法第9条,安保法制,法の客観的限定性)

(出典:安保法制違憲訴訟の会
安保法制違憲訴訟の会(2016-)(Collection of propositions of great philosophers)
安保法制違憲訴訟の会(2016-)
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(1')日本との密接関係国への攻撃に対する、自衛措置というものが仮にあり得ると想定しても、日本の領域、周辺への制限がなくなることによって、必要最小限の実力行使の範囲は確実に広がる。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)

自衛隊の活動範囲の拡大

【(1')日本との密接関係国への攻撃に対する、自衛措置というものが仮にあり得ると想定しても、日本の領域、周辺への制限がなくなることによって、必要最小限の実力行使の範囲は確実に広がる。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)】

(c.3.1')追加。

(5)政府の新解釈
 (a)日本国憲法も、独立国が当然に保有する自衛権を否定するものではない。
 (b)自衛のための必要最小限度の実力組織である自衛隊は憲法9条2項の「戦力」には当たらない。
 (c)自衛権発動の新3要件
  (c.1)日本に対する急迫不正の侵害があること、すなわち武力攻撃が発生したこと
   (c.1.1)従って、自国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利としての集団的自衛権の行使は、許されない。
  (c.1')しかし、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合
   (c.1'.1)この場合は、集団的自衛権の行使ではなく、憲法上許容される「自衛の措置」である。
  (c.2)これを排除するために他の適当な手段がないこと
  (c.3)必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと
   (c.3.1')日本に対する武力攻撃が発生していなくとも、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃に対する対処が含まれることによって、自国の領域や、必要な限度において日本の周辺の公海・公空における対処への制限がなくなり、他国の領土・領海・領空に派遣する、いわゆる海外派兵が必要となる。

「まず、「他国に対する武力攻撃」に対して日本が武力をもって反撃するということは、法理上、これまで基本的に日本周辺に限られていた武力の行使の地理的限定がなくなり、外国の領域における武力の行使、すなわち海外派兵を否定する根拠もなくなることを意味します。」
(出典:国家賠償請求訴訟 平成28年(ワ)13525号 2016年4月26日 訴状裁判資料・国家賠償請求訴訟安保法制違憲訴訟の会
目 次 ※印は、上記引用文の記載箇所を示す。
第2 集団的自衛権の行使等を容認する新安保法制法は違憲であり、その制定に係る内閣及び国会の行為は違法であること
1 新安保法制法制定の経緯
2 集団的自衛権の行使が違憲であること
(1) 集団的自衛権の行使容認
(2) 憲法9条の解釈における集団的自衛権行使の禁止
(3) 閣議決定と新安保法制法による集団的自衛権行使の容認
※(4) 集団的自衛権行使容認の違憲性
(5) 立憲主義の否定
(索引:自衛隊の活動範囲の拡大,必要最小限の実力行使)

(出典:安保法制違憲訴訟の会
安保法制違憲訴訟の会(2016-)(Collection of propositions of great philosophers)
安保法制違憲訴訟の会(2016-)
安保法制違憲訴訟の会
検索(安保法制)
検索(憲法改正)
検索(憲法9条)

自衛のための必要最小限度の実行組織は「戦力」には当たらない。(1)日本への武力攻撃だけでなく、(1')日本との密接関係国に対する攻撃であっても、(1)と同じ危険がある場合には、(2)他に排除手段がなく、(3')必要最小限度の実力行使であれば自衛措置である。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)

安保法制を支持する政府の新解釈

【自衛のための必要最小限度の実行組織は「戦力」には当たらない。(1)日本への武力攻撃だけでなく、(1')日本との密接関係国に対する攻撃であっても、(1)と同じ危険がある場合には、(2)他に排除手段がなく、(3')必要最小限度の実力行使であれば自衛措置である。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)】
(4)政府の従来解釈
 (a)日本国憲法も、独立国が当然に保有する自衛権を否定するものではない。
 (b)自衛のための必要最小限度の実力組織である自衛隊は憲法9条2項の「戦力」には当たらない。
 (c)自衛権発動の3要件
  (c.1)日本に対する急迫不正の侵害があること、すなわち武力攻撃が発生したこと
   (c.1.1)従って、自国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利としての集団的自衛権の行使は、許されない。
  (c.2)これを排除するために他の適当な手段がないこと
  (c.3)必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと
   (c.3.1)従って、外部からの武力攻撃を日本の領域から排除することを目的とすることから、日本の領域内での行使を中心とし、必要な限度において日本の周辺の公海・公空における対処も許されるが、反面、武力行使の目的をもって自衛隊を他国の領土・領海・領空に派遣する、いわゆる海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されない。

(5)政府の新解釈
 (a)日本国憲法も、独立国が当然に保有する自衛権を否定するものではない。
 (b)自衛のための必要最小限度の実力組織である自衛隊は憲法9条2項の「戦力」には当たらない。
 (c)自衛権発動の新3要件
  (c.1)日本に対する急迫不正の侵害があること、すなわち武力攻撃が発生したこと。
   (c.1.1)従って、自国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利としての集団的自衛権の行使は、許されない。
  (c.1')しかし、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合
   (c.1'.1)この場合は、集団的自衛権の行使ではなく、憲法上許容される「自衛の措置」である。
  (c.2)これを排除するために他の適当な手段がないこと
  (c.3)必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと

「(3) 閣議決定と新安保法制法による集団的自衛権行使の容認
 ところが、政府は、平成26年7月1日、上記のこれまでの確立した憲法9条の解釈を覆し、集団的自衛権の行使を容認することなどを内容とする閣議決定(26・7閣議決定)を行い、これを実施するための法律を制定するものとしました。
 すなわち、「我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、①我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において、②これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないときに、③必要最小限度の実力の行使をすること」は、従来の政府見解の基本的な論理に基づく自衛のための措置として、憲法上許容されるとし、この武力の行使は、国際法上は集団的自衛権が根拠となる場合があるが、憲法上はあくまでも「自衛の措置」として許容されるものである、としたのです(上記①②③は引用者が挿入。これが「新3要件」といわれるものです。)。
 そして、新安保法制法による改正自衛隊法76条1項及び事態対処法2条4号等に、上記新3要件に基づく「防衛出動」との位置づけにより、この集団的自衛権の行使の内容、手続が定められるに至りました。」
(出典:国家賠償請求訴訟 平成28年(ワ)13525号 2016年4月26日 訴状裁判資料・国家賠償請求訴訟安保法制違憲訴訟の会
目 次 ※印は、上記引用文の記載箇所を示す。
第2 集団的自衛権の行使等を容認する新安保法制法は違憲であり、その制定に係る内閣及び国会の行為は違法であること
1 新安保法制法制定の経緯
2 集団的自衛権の行使が違憲であること
(1) 集団的自衛権の行使容認
(2) 憲法9条の解釈における集団的自衛権行使の禁止
※(3) 閣議決定と新安保法制法による集団的自衛権行使の容認
(4) 集団的自衛権行使容認の違憲性
(5) 立憲主義の否定
(索引:日本国憲法第9条,戦力,戦争,自衛権,自衛権発動の新3要件)

(出典:安保法制違憲訴訟の会
安保法制違憲訴訟の会(2016-)(Collection of propositions of great philosophers)
安保法制違憲訴訟の会(2016-)
安保法制違憲訴訟の会
検索(安保法制)
検索(憲法改正)
検索(憲法9条)

自衛のための必要最小限度の実行組織は「戦力」には当たらない。そのためには(1)日本への武力攻撃が発生し、(2)他に排除手段がない場合、(3)日本の領域内または周辺における必要最小限度の実力行使にとどめること。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)

安保法制成立前の政府の憲法解釈

【自衛のための必要最小限度の実行組織は「戦力」には当たらない。そのためには(1)日本への武力攻撃が発生し、(2)他に排除手段がない場合、(3)日本の領域内または周辺における必要最小限度の実力行使にとどめること。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)】
(1)自衛のための戦争を含めて、あらゆる武力行使を放棄して非武装の恒久平和主義を定めたものであるという解釈も存在する。
(2)自衛のための必要最小限度の実力の保持は憲法も許容しているとの解釈が、政府解釈の基本である。
(3)否定されるのは日本が当事者となってする侵略戦争のみであって、集団的自衛権の行使も許されるとする解釈も存在する。
(4)政府の従来解釈
 (a)日本国憲法も、独立国が当然に保有する自衛権を否定するものではない。
 (b)自衛のための必要最小限度の実力組織である自衛隊は憲法9条2項の「戦力」には当たらない。
 (c)自衛権発動の3要件
  (c.1)日本に対する急迫不正の侵害があること、すなわち武力攻撃が発生したこと。
   (c.1.1)従って、自国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利としての集団的自衛権の行使は、許されない。
  (c.2)これを排除するために他の適当な手段がないこと。
  (c.3)必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと。
   (c.3.1)従って、外部からの武力攻撃を日本の領域から排除することを目的とすることから、日本の領域内での行使を中心とし、必要な限度において日本の周辺の公海・公空における対処も許されるが、反面、武力行使の目的をもって自衛隊を他国の領土・領海・領空に派遣する、いわゆる海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されない。

「(2) 憲法9条の解釈における集団的自衛権行使の禁止憲法9条の解釈については、
A:自衛のための戦争を含めてあらゆる武力行使を放棄して非武装の恒久平和主義を定めたものであるという解釈から、
B:自衛のための必要最小限度の実力の保持は憲法も許容しているとの解釈、さらには、
C:否定されるのは日本が当事者となってする侵略戦争のみであって集団的自衛権の行使も許されるとする解釈まで、様々な立場があります。
そして、日本政府は、これまで、日本国憲法も独立国が当然に保有する自衛権を否定するものではなく、自衛のための必要最小限度の実力組織である自衛隊は憲法9条2項の「戦力」には当たらないとする一方で、その自衛権の発動は、①日本に対する急迫不正の侵害があること、すなわち武力攻撃が発生したこと、②これを排除するために他の適当な手段がないこと、③必要最小限度の実力行使にとどまるべきことの3つの要件(自衛権発動の3要件)を満たすことが必要であるとの解釈を定着させてきました。そして、政府は、自国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利としての集団的自衛権の行使は、この自衛権発動の3要件、特に①の要件に反し、憲法上許されないと解してきました。
 また、政府は、③の要件の自衛権による実力行使の「必要最小限度」については、それが外部からの武力攻撃を日本の領域から排除することを目的とすることから、日本の領域内での行使を中心とし、必要な限度において日本の周辺の公海・公空における対処も許されるが、反面、武力行使の目的をもって自衛隊を他国の領土・領海・領空に派遣する、いわゆる海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されないとしてきました。
 すなわち、政府は、自衛隊による実力の行使は、日本の領域への侵害の排除に限定して始めて憲法9条の下でも許され、その限りで自衛隊は「戦力」に該当せず、「交戦権」を行使するものでもないと解してきましたが、それ故にまた、他国に対する武力攻撃を実力で阻止するものとしての集団的自衛権の行使は、これを超えるものとして憲法9条に反して許されないとされてきたのです。
 この海外派兵の禁止、集団的自衛権の行使の禁止という解釈は、昭和29年の自衛隊創設以来積み上げられてきた、一貫した政府の憲法9条解釈の基本原則であり、内閣法制局及び歴代の総理大臣の国会答弁や政府答弁書等において繰り返して表明されてきました。それは、憲法9条の確立された政府の解釈として規範性を有するものとなり、これに基づいて憲法9条の平和主義の現実的枠組みが形成され、「平和国家日本」の基本的あり方が形造られてきたのでした。」
(出典:国家賠償請求訴訟 平成28年(ワ)13525号 2016年4月26日 訴状裁判資料・国家賠償請求訴訟安保法制違憲訴訟の会
目 次 ※印は、上記引用文の記載箇所を示す。
第2 集団的自衛権の行使等を容認する新安保法制法は違憲であり、その制定に係る内閣及び国会の行為は違法であること
1 新安保法制法制定の経緯
2 集団的自衛権の行使が違憲であること
(1) 集団的自衛権の行使容認
※(2) 憲法9条の解釈における集団的自衛権行使の禁止
(3) 閣議決定と新安保法制法による集団的自衛権行使の容認
(4) 集団的自衛権行使容認の違憲性
(5) 立憲主義の否定
(索引:日本国憲法第9条,戦力,戦争,自衛権,自衛権発動の3要件)

(出典:安保法制違憲訴訟の会
安保法制違憲訴訟の会(2016-)(Collection of propositions of great philosophers)
安保法制違憲訴訟の会(2016-)
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検索(憲法改正)
検索(憲法9条)

ある状況が明確に予見できるにもかかわらず、違憲かどうかの判断を回避し、現状の政治的判断を黙認するならば、それは裁判官による不当な一つの政治的選択であり、憲法尊重義務違反でもある。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)

裁判官の憲法尊重義務

【ある状況が明確に予見できるにもかかわらず、違憲かどうかの判断を回避し、現状の政治的判断を黙認するならば、それは裁判官による不当な一つの政治的選択であり、憲法尊重義務違反でもある。(平成28年(ワ)13525号 国家賠償請求事件 2016年4月26日 訴状)】
「裁判所には違憲立法審査権があり、裁判官には憲法を尊重し、擁護する義務があります。今回の新安保法制法に基づく自衛隊の出動等により具体的被害が出てからでは遅いのです。そして、外国の軍隊と共同作戦をとるなどの集団的自衛権行使の既成事実ができてしまえば、裁判所において違憲と判断をした場合の政治的影響が極めて大きくなり、その判断も難しくなります。裁判所におかれては、違憲であることが明白な新安保法制法を黙認することなく、既成事実の作り上げに手を貸すことをせず、憲法と平和を守りたいとの国民・市民の願いに応えるともに、内閣総理大臣の求める裁判所としての判断を行い、新安保法制法が違憲であることの判断をされることを強く願っております。」
(出典:国家賠償請求訴訟 平成28年(ワ)13525号 2016年4月26日 訴状裁判資料・国家賠償請求訴訟安保法制違憲訴訟の会
目 次 ※印は、上記引用文の記載箇所を示す。
【法律の題名の略称】
※【原告たちの思い】
(索引:裁判官の憲法尊重義務,憲法判断,政治的選択)

(出典:安保法制違憲訴訟の会
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