2024年3月30日土曜日

21. 人は、酸素を含まない大気の中で肉体的に生きることができないのと同様に、自分に対して共感的に反応してくれない心理的環境では、心理的に生存できないのである(Kohut,1)ウォルター・ミシェル(1930-2018),


人は、酸素を含まない大気の中で肉体的に生きることができないのと同様に、自分に対して共感的に反応してくれない心理的環境では、心理的に生存できないのである(Kohut,1)ウォルター・ミシェル(1930-2018),


 『……人は、酸素を含まない大気の中で肉体的に生きることができないのと同様に、自分に対して共感的に反応してくれない心理的環境では、心理的に生存できないのである。』(Kohut,1977,p.85)

 「コフートの思考は、新しい精神分析的関心それ自体や自己の障害のような問題への治療のための方法を提案することになった。

無意識の葛藤や衝動によって駆り立てられるというよりも、コフートは今日の患者を、共感的学習や同化のための理想的「対象」つまり重要な他者が奪われたとみなしている。

両親は、情動的に壁の向こう側に行ってしまい、両親自身の自己愛的欲求を求めすぎているため、子どもの自己の健康的な発達や成人期の意味ある応答的な関係の形成のために必要なモデルがいないのである。

 人生や生活における重要な他者、つまり「自己にとっての対象」から共感的な反応が感じられないとき、人々は自己の破壊を恐れる。

コフートは、この状態を心理的酸素が奪われた状態にたとえている。自己にとっての対象からの共感的反応の有効性は、酸素の存在が肉体の生存に対するのと同じくらい、自己の生存にとって不可欠である。人間の自己の破壊を導くのは、冷淡さにさらされる、無関心な、共感的反応のない世界である(Kohut,1984,p.18)。」

(ウォルター・ミシェル(1930-2018),オズレム・アイダック,ショウダ・ユウイチ『パーソナリティ心理学』第Ⅲ部 精神力動的・動機づけレベル、第9章 フロイト後の精神力動論、pp.292-293、培風館 (2010)、黒沢香(監訳)・原島雅之(監訳))


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