芸術作品の解釈・評価
芸術作品は、その製作者たちの時代や場所、彼らの社会の成長段階にのみ限られるような象徴記号の目的、つまりは記号の固有な用法を正確に把握することにより、理解・解釈・評価されるべきである。あらゆる学術、思想、芸術、文化の歴史的研究と比較研究も同様である。 (ジャンバッティスタ・ヴィーコ(1668-1744))
(a)芸術の解釈は時代と文化に依存する
芸術作品は、その製作者たちの時代や場所、彼らの社会の成長段階にのみ限られるような象徴記号の目的、つまりは記号の固有な用法を正確に把握することにより、理解・解釈・評価されるべきである。
目的(文化、時代)
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芸術作品の ⇔ 芸術作品
理解・解釈・評価
(b)異なる文化の理解
我々の時代の文化と全く異なった文化の持つさまざまな不思議な点も、その神秘を解明し得る。
(c)学術、思想、芸術、文化の歴史的研究と比較研究
人類学、社会学、 法学、経済思想、政治哲学、言語学、宗教学、文学、あらゆる芸術、理念、あらゆる文化の、発展の歴史的な探究と、異なる人々のあいだの比較研究が、可能となる。
「(6)右の趣旨から次のこと(事実上、一つの新しい美学)が生まれる。即ち、芸術作品 は、あらゆる場所のすべての人に有効な久遠の原理ないし基準を尺度にしてではなく、その製 作者たちの時代や場所、彼らの社会の成長段階にのみ限られるような象徴記号(特に言語)の 目的、つまりは記号の固有な用法を正確に把握することにより、理解・解釈・評価されるべきである。われわれの時代の文化と全く異なっているために、あるいは野蛮な混乱として、ある いはあまりにかけ離れた異国的なものゆえ真面目に注目するに値しないと、それまで退けられ てきた文化の持つさまざまな不思議な点も、右のような尺度によれば始めてその神秘を解明し 得る。これは比較文化史の端緒であり、一群の新しい歴史の学問――比較人類学、比較社会学、 比較法学・言語学・人種学・宗教学、比較文学、芸術史学、理念史、法制史、文明史――即ち、 歴史的、つまり発生的に考えられた、最広義の社会科学と後に呼ばれるようになった知識の全 分野の緒を開くものである。」
(アイザイア・バーリン(1909-1997),『ヴィーコとヘルダー』,序説,p.17,みすず書房 (1981),小池銈(訳))
アイザイア・バーリン (1909-1997) |