★008難問題4
心理テストです。あなたは、(a)ですか(b)ですか?
(a)あるテストが重要な能力を診断すると言われたなら、成績がよくなる。
(b)テストが重要な能力を診断するものではないと伝えられたほうが、よりよい成績をとる。
何がわかるか?
https://sententiarum2.blogspot.com/2018/05/m1943.html
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活用するための哲学サイト。著作名から調べる。人名から調べる。順次、充実させていきます。(大幅に遅延中)
★008難問題4
心理テストです。あなたは、(a)ですか(b)ですか?
(a)あるテストが重要な能力を診断すると言われたなら、成績がよくなる。
(b)テストが重要な能力を診断するものではないと伝えられたほうが、よりよい成績をとる。
何がわかるか?
https://sententiarum2.blogspot.com/2018/05/m1943.html
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007_必ずわかる難問題3
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(1)前回、宇宙の構造と、法則の概要を話しました。現代の物理学は、かなりの精度で真理を掴んでいて、高度な技術の基礎知識にもなっています。(2)この宇宙の法則から、生命が生まれて進化することが理解できるだろうか。
(3)意識が生まれ、その意識が宇宙の法則を理解することを、説明できるだろうか。
(4)宇宙の出来事の生成は、確率の法則に従っているが、出来事の生成は、偶然に支配されている。
(5)ところが生命は、良くなろうとする傾向がある。物理学の法則とは矛盾しないのか?
次の記事を読んでみて欲しい
ダマシオは清泉の講義にも、登場してました
https://sententiarum2.blogspot.com/2018/06/1231944.html
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006a_必ずわかる難問題2(第1回)
物理学
難問題に入っていく前に、物理学が理解している宇宙の姿を、知って欲しい。次の記述は、簡潔で丁寧にまとめて書かれているので、何回も読んで欲しい。
後に、詳しく説明していきます。
「わたしたちが生きる世界には、屈曲した時空間が広がっている。
どのようにしてかは分からないが、それは今から一四〇億年前に、巨大な爆発によって誕生した。以来、時空間はずっと膨張を続けている。
この空間は実在する「事物」であり、物理的な「場」である。時空間の力学は、アインシュタインの方程式によって記述される。物質の重みのもとで、空間は折れたり曲がったりする。物質が極度に凝縮されたときには、空間がブラックホールへ呑みこまれていくこともある。
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宇宙には無数の銀河が散らばっており、ひとつひとつの銀河に無数の星が散らばっている。銀河を形づくっている物質は、量子場によって形づくられている。量子場は、電子や光子のように、粒子の形態をとって現われる。または、量子場は電磁波のように、波の形で現われることもある。テレビの映像や、太陽の光や、星の輝きをわたしたちに伝えているのは、電磁波である。
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原子や光をはじめ、宇宙に存在するあらゆる事物は、量子場によって記述される。
量子場は奇妙な存在である。量子場を形成するひとつひとつの粒子は、別のなにかと相互作用を起こすときだけ、ある一点に居場所を定め、その姿をあらわにする。ひとたび相互作用を終えるなり、粒子は「確率の雲」のなかへ溶けこんでいく。
世界とは、素粒子が起こす事象の湧出である。波のように振動する、大きく躍動的な空間の海に、素粒子は浸かっている。
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世界のこのようなイメージと、このイメージを形づくるわずかな方程式によって、わたしたちの目に映るほとんどすべてのものを記述することができる。
そう。あくまで、「ほとんど」である。肝心な何かが、まだ欠けている。今日のわたしたちが要求しているのは、その何かである。」
(カルロ・ロヴェッリ(1956-)『現実は私たちに現われているようなものではない』(日本語名『すごい物理学講義』)第3部 量子的な空間と相関的な時間、pp.142-143、河出書房新社(2017)、竹内薫(監訳)、栗原俊秀(訳))
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カルロ・ロヴェッリ(1956 - )は、イタリアの理論物理学者、サイエンスコミュニケーターである。イタリア、ヴェローナ生まれ。ループ量子重力理論を提唱した。
https://sententiarum2.blogspot.com/2018/01/1956_43.html
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今後の予定
3 脳科学、神経科学7/20
4 心理学、精神分析7/21
5 社会学、人類学7/22
6 経済学7/23
7 政治哲学7/24
8 法哲学、倫理学7/25
9 いわゆる哲学7/26
10 人生の知恵7/27
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005a_必ずわかる難問題1(第1回)
何百年も議論されても、明確に解けたと思えないような難しい問題が、いくつかあります。その中の一つ。
宇宙が誕生し、星々ができ、地球上で生命が生まれ進化して、人間が生まれ、心を持つようになった。
私たちは、たしかに、自分で考えて、自由に選択する、Aを選ぶか、Bを選ぶか? しかし人間も、物質には違いなく、宇宙を支配している物理学の法則に従っているはずだ。
生命とは何か?
意識とは何か?
人間に自由意志はあるのか?
未来は選べるのか?
しばらくは、ポパーの考えたことを、
紹介してみたい。
カール・ポパー(1902 - 1994)は、オーストリア出身のイギリスの哲学者。純粋な科学的言説の必要条件として反証可能性を提起し、批判的合理主義に立脚した科学哲学及び科学的方法の研究の他、社会主義や全体主義を批判する『開かれた社会とその敵』を著すなど社会哲学や政治哲学も展開した。
物質の世界を世界1、心の世界を、世界2と呼ぶことにする。ポパーは。もう一つの世界があるという。世界3だ。
世界3とは、人間の心が作ったものの世界。
ぜひ、次の記事を読んでみて欲しいです。
https://sententiarum2.blogspot.com/2018/08/233331902-1994.html
「面接や、専門家たちによる統合的な全体評定は、自己報告の正確さには遠く及ばなかった(Mischel.1965)。
つまり、人に関する有益な情報は、単純に本人に尋ねることによって最も直接的に得られる可能性がある(例:Cantor & Kihlstrom,1987; Emmons,1997)。
こうした結論は、学業成績、職業上の成功、心理療法における治療の結果、精神病患者の再入院、非行少年の宣誓釈放違反など、さまざまな分野に当てはまるように思われる(Emmons,1997; Mischel,1981b; Rorer,1990)。
要するに、ある条件下において、人は自分の行動を、少なくとも専門家と同じくらい正確に報告できる可能性がある。
もちろん、人は常に自分の行動を正確に予測するわけではない。自分自身の行動を予告するための情報や動機づけに欠けることもあるだろうし、わかってはいても、それを口外しないよう動機づけられていることもあるだろう。
犯罪者が再び盗みを計画していても、裁判の途中で検察官の尋問に対してそれを言うとは考えられない。
さらに、未来の行動の多くは、例えば他の人々や自己など、人の統制が及ばない変数によって決まる可能性もある。
とはいえ、得られた結果は、自己推定や自己予測が有益な評価ツールであることを強く示唆するものといえるだろう。」
(ウォルター・ミシェル(1930-2018),オズレム・アイダック,ショウダ・ユウイチ『パーソナリティ心理学』第Ⅴ部 現象学的・人間性レベル、第13章 内面へのまなざし、p.409、培風館 (2010)、黒沢香(監訳)・原島雅之(監訳)
【中古】パーソナリティ心理学—全体としての人間の理解 / ミシェル ウォルター ショウダユウイチ アイダック オズレム 黒沢香 原島雅之 / 培風館 |
「動物が学習し、そして環境から情報を獲得することに頼るほど、遺伝子が具体的な行動に効果をもつ可能性は小さくなる。
人間の場合、社会文化体系の行動に対する影響が遺伝子的傾向よりもはるかに大きい。
種がどのように行動するかについて情報を獲得するために、ますます学習に依存するようになるほど、《迅速で適切な情報検索》の必要性が高まる。迅速で適切な情報検索は統一的全体あるいはパターン化された《図式》として情報を収集し、解釈する能力によって促進される。
なぜならより多くの情報が図式としてダウンロードでき、またより多くの選択肢と代案が加えられるからである。
ウエントワースはその要点を明示していないけれども、迅速で適切な情報検索への依存は動物に選択圧として作用する。生存手段として集団指向的な行動(たとえば群れ、小群れあるいは大きく群れる本能)に向う強力な生物プログラムをもたない動物は、社会関係をつくり、そしてそれを維持することに依存する。
つまり社会関係を育成するために大量の熱量を消費しなければならないという意味で、その動物が《深層において社会的》であるほど、情報探索のための効率的な機構は適応度をいっそう強化する。
感情は人間の情報検索の背後にある中枢の機構である。なぜなら感情は脳の情報処理水準を超える「管理中枢」として作用し、また情報を「枠づけ、また焦点化をする」からである。これらの機構は適応度を強化するために多くの方法によって作用する。
1.感情は注意の調整器である。感情は個体に環境のある側面について警告を迅速に伝える。
2.感情は注意持続時間、つまり個体がどれほどの時間にわたって環境のある側面に警戒を保たなければならないかを調整する。
3.感情は個人経験から学習し、そして環境の異なる側面についての記憶を貯蔵することを可能にする。学習は最終的に出来事に対する感情的反応に結ばれている。文化が経験を表示し、標識をつけるための手段として提供する感情が多いほど、記憶はますます複雑かつ精妙になる。
4.感情は個人が環境および状況の特定の対象と関係する記憶を呼び起こすことを可能にする。
5.感情は個人が自己を他者、状況、そしてもっと全体的な環境との関係において対象と見なすことを可能にする。感情がなければ、人びとはある状況において自己を方向づけ、評価し、あるいは位置づけることができない。
6.感情は個人が役割を取得し、他者の性向を読み、そして他者の間主観性を達成することを可能にする方法で互いに伝達することを可能にする。
7.感情は個人にエネルギーを与えるだけでなく、個人がある状況で文化的期待に適う方法で行動するよう強く働く。
8.感情は文化的指令と禁止に力を付与する。感情がなければ、良心の《激しい痛み》、社会的責務の《指令に従うこと》も、尊敬を《実感すること》も、あるいは道徳性を《当然と見なすこと》もできないだろう。
9.感情、とくに孤独や疎外の不安や恐れは、社会的網状組織が維持されていることを確認するため、自己、他者、また状況を監視するよう個人を強く動かす。」
(ジョナサン・H・ターナー(1942-)『感情の社会学理論』第8章 進化論による感情の理論化、pp.458-460、明石書店 (2013)、正岡寛司(訳))

「一部の人に恩恵をほどこそうとするばかりに、それ以外の連中にいやな思いをさせることのないように注意するがよい。なぜなら不愉快な目にあわされた人間は、それを忘れはしないどころか、実際にうけたよりも大げさに感じるものであり、他方、恩をうけた人間はそれを忘れてしまうか、実際に与えられたものより過少にしか感じないものだからである。したがって、他の条件が同一だと仮定すれば、君は得るものより、はるかに多くのものを失うことになるだろう。」
(フランチェスコ・グィッチャルディーニ(1483-1540)、『リコルディ』C、二五 一部の者への恩恵、フィレンツェ名門貴族の処世術、p.63、[永井三明・1998])
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フィレンツェ名門貴族の処世術―リコルディ (講談社学術文庫) |
「市場支配力のゆがんだ影響
企業の市場支配力が増すと、市場支配力をもつ企業の所有者へ、顧客から富が移動する。顧客の富が減少したことは資本金会計には記録されないが、企業価値の増加は記録される。
〈フォーブズ〉誌の世界長者番付には、金融業、石油や石炭、ガス、鉱物などの資源開発にかかわる採取産業、不動産業、民営化された通信事業などにおける独占力のおかげで長者の地位を得た人々が散見される。
市場支配力が行使されると市場はゆがみ、社会福祉は縮小する。そして不平等を生むだけでなく、市場のレント(超過利潤)は経済・政治システムに別のゆがんだ影響をおよぼす。
第1にレントは、もし経済が最適に構築され、そのようなレントが存在しなかった場合に行なわれたはずの生産を減少させる。
第2にレントは、過剰な営業支出やロビー活動などの非生産的なレントシーキング活動への資源配分にインセンティブをあたえる。レントが大きいほど、そのような活動に対するインセンティブも大きくなる。
たとえば、2010年、医療産業は医療費負担適正化法に反対するロビー活動に1億240万ドルを投入し、金融および不動産業は金融規制改革法であるドッド=フランク法の可決と施行に反対するロビー活動に数十億ドルを費やした。
第3に、企業がレントを生み出したり維持したりするためにロビー活動や他の政治活動にかかわる度合に応じて、政治システムに影響をおよぼし、経済や他の社会分野に多くの有害な結果をもたらす。最初の反トラスト法は、経済システムだけでなく、政治システムのゆがみが動機となって定められた。」
(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-),『アメリカ経済のルールを書き換える』(日本語書籍名『これから始まる「新しい世界経済」の教科書』),第1部 世界を危機に陥れた経済学の間違い,第1章 “自由な市場”が何を引き起こしたか,pp.70-71,徳間書店(2016),桐谷知未(訳))
「支配力が増すと、競争が減少する
■競争は、成功する経済には必須の特性であり、企業を効率的にし、価格を下げさせる。競争は市場関係者の力を制限し、彼らに都合のよい経済および政治成果を摘み取る。
■アメリカ経済のかなりの部分が、この競争の理想型からかけ離れた場所をさまよってきた。市場支配力が、人々の快適な暮らしや経済実績全体にとって重要な領域で大きな役割を演じている。
■テクノロジーとグローバル化における変化は、市場支配力の増大に一定の役割を担ってきた。しかし、政府が選択した明確な政策も同様だ。多くの場合、政府は市場支配力を抑制しない方向を選んできた。
■このような活動は経済効率を低下させ、人々の意欲を失わせうるので、市場支配力を抑制すれば、より公平で、より力強いアメリカ経済を維持できるはずだ。」
(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-),『アメリカ経済のルールを書き換える』(日本語書籍名『これから始まる「新しい世界経済」の教科書』),第1部 世界を危機に陥れた経済学の間違い,第1章 “自由な市場”が何を引き起こしたか,pp.60-61,徳間書店(2016),桐谷知未(訳))
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「1970年代以降、ゲームのルールは変わり、第2次世界大戦後の30年間で達成された経済力のバランスを壊した。第1部では、国民にみじめな道を歩ませることになった転換点について分析し、ここに至るまでに学んだいくつかの教訓に照らして考察する。
◎経済ルールの根本的な変化は不平等を拡大し、結果として経済的利益を共有する人が減っただけでなく、経済全体と企業投資まで低迷させた。
◎民間セクターでは、融資が経済全体に役立つものから融資そのもののためへと変わった。
企業は利害関係者全員――労働者、株主、経営陣――への奉仕から、“株主の利益”を増やすことを口実に、トップ経営陣のみに奉仕する方向へ進んだ。主要セクターで数社の市場支配力が増したことで、競争の勢いは鈍った。結果として、近視眼的な行動や、雇用や将来への投資不足、成長の鈍化、価格の上昇、不平等の拡大が生じた。
◎アメリカの税制は労働より投機をうながし、経済をゆがめ、上位1パーセントの人々の利益に貢献している。
◎金融・税制政策で、財政赤字やインフレといった脅威に重点を置きすぎた一方で、不平等の拡大と投資不足という、経済の繁栄に対する現実の脅威を無視した。その結果、失業率が上昇して、社会はますます不安定になり、成長が鈍化した。
◎労働市場の制度、法律、規制や規範が変わったことで弱体化された労働者は、強大な企業と市場の力に対抗するのが難しくなった。その結果、生産性と賃金のへだたりが拡大した。これは恐らく、過去3分の1世紀のアメリカの経済生活における最も著しい局面だろう。
◎これらの問題は、不利な立場にある人たちのあいだでますます悪化している。市場は有利な立場を何世代にもわたって永続させ、差別は多くの人々が自らの人的資本を開発して富を蓄えるのを妨げてきた。
ここには、アメリカ社会が方向を誤ったことがはっきり示されている。しかしそのすべては選択だった。つまり、選択によってものごとのやりかたは変えられるということだ。前へと進む道については、第2部で示す。」
(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-),『アメリカ経済のルールを書き換える』(日本語書籍名『これから始まる「新しい世界経済」の教科書』),第1部 世界を危機に陥れた経済学の間違い,第1章 “自由な市場”が何を引き起こしたか,pp.58-60,徳間書店(2016),桐谷知未(訳))
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「恐怖や他の情動的な問題が軽減され、そして、より適応的で機能的な社会的行動様式を通して社会的能力が改善されたとき、パーソナリティは変化するのかという疑問はまだ残っている。
その答えはパーソナリティの定義によるだろう。重篤な吃音や制御できない顔面チックのような不利な行動を変化させることでも、苦痛で恐怖を発生させる情動的な反応を除去することでも、人々の自分自身や自己概念についての感じ方が改善するというかなりの証拠がある(例:Bandura,1997; Meichenbaum,1995)。
自己概念と自尊心は、少なくとも一部は個人の実際の能力や行動が他者によってどのようにみられているかを反映する傾向がある(例:Leary & Downs,1995)。
私たちの自己知覚は、私たちが自分の行動の適応適性について得る情報を含んでいる。そしてもしこれらの自己知覚がパーソナリティの一部であるなら、行動がより適応的で、満足できるものになったとき、パーソナリティは変化する。
より有能に仕事ができることを学習した人は、より多くの満足感を得て、自己に対するより肯定的な態度を発達させる可能性が高い。恐怖や不安を克服できた結果、人はさらに自信ももつようになるに違いない。」(中略)
「しかし、それはしばしば真実かもしれないが、いつでも必ず起こるわけではない。実際、行動療法を批判する人たちは、患者たちの行動が不適切だからではなく、それを不当に評価するから、苦しんでいると指摘している。つまり、遂行ではなく歪曲された自己概念の問題をもっている人たちがいる。
しばしば人は、自分のまわりやもっと遠くの社会にいる人たちよりも自分自身がたいへんに変わっているというラベルを張り、自分の行動に対したいへん変わったものであるかのように反応する。」
(ウォルター・ミシェル(1930-2018),オズレム・アイダック,ショウダ・ユウイチ『パーソナリティ心理学』第Ⅳ部 行動・条件づけレベル、第11章 行動の分析と変容、pp.360-361、培風館 (2010)、黒沢香(監訳)・原島雅之(監訳))
【中古】パーソナリティ心理学—全体としての人間の理解 / ミシェル ウォルター ショウダユウイチ アイダック オズレム 黒沢香 原島雅之 / 培風館 |
「要するに、評価過程において、恥を経験する誰もが「悪いことをしたのは《わたし》だ」という。
これに対して、罪を経験している誰もが「わたしがしたのは悪い《ことだ》」という。
ルイス(2000)は、こうした帰属を包括的、もしくは特定的な帰属として識別する。包括的な自己帰属は「自己全体」におよぶ。自己の総体がその評価に含まれる。恥の場合、個人は自己を「悪い人」であると識別する。
これに対して、特定的な自己帰属は自己が関与している特定の行為を指示する。「悪い人」であるよりも、むしろ人が「悪いこと」をしたと認知する。タンネイによれば、こうした強調点の相違が異なる感情と異なる行動反応をもたらす。
恥は主として矮小感と関係する激しい否定的な感情である。個人は矮小であり、取るに足らず、無力であると感じる(Tangney,1995b)。
恥じている人は人目にさらされていると感じる。なぜなら「不完全な自己」が他人からどのように見られているかを考えるからだ。こうした他者はその状況に実際に存在し、もしくは自分の想像のなかに存在しているのかもしれない。恥を感じる人は、人目を避けたい、消えてしまいたい、あるいはその状況から逃れたいのだ。
罪は、恥と比べると、それほど激しい否定的な感情ではない。なぜならその焦点は、自己全体でなく、むしろ自分がしでかした特定の違反とその結果につながれているからだ。罪は悪いことをしたことへの緊張感、後悔と自責の念と関係する(Tangney,1995b)。
人はその状況から逃れるよりも、むしろ自分がやってしまった過失を打ち明け、その損傷について謝罪し、また(あるいは)現状を回復することを求める。
全人格が詮索されているのではないので、賠償的な行為を行うことがある状況においてたやすく自己の指針を見つける。違反は許されるので、人は出会いを継続することが可能であり、何らかの方法で対処することができる。
タンネイ(2002)は、罪(恥ではなく)が「道徳的感情」である一つの理由は、罪は他者ともう一度結合しようとする試みによって人を能動的に動機づける。
これに対して、恥は他者との分離と距離を広げたままである。それゆえ罪(恥ではなく)を道徳的感情として扱うための別の理由をも識別している。
罪は他者との同情の気持ちを促進するように思われるのに対して、恥はこれらの気持ちを萎えさせる。
同情は他者の苦悩を認知し感じることをともなう。それは育成するに値する有用な感情であると考えられる。なぜなら罪は支援行動を促進し、そして攻撃的な行動を抑制しがちであるからだ。
罪は自己全体よりも、むしろ個人の行動に焦点を定めるので、個人は恥の場合のように、内面を直視することも、また自己を巻き込むことも少ない。
外部に目を向け、他者の苦痛に注目することが同情の必要条件である。恥を感じることは同情過程への侵害である。なぜなら傷ついた他者よりも自己にいっそう焦点を定めるからだ。」
(ジョナサン・H・ターナー(1942-)『感情の社会学理論』第5章 精神分析的要素を用いた感情の象徴的相互作用論の理論化、pp.317-318、明石書店 (2013)、正岡寛司(訳))

「君が世話をするつもりもないようなことは約束しないのが誠実で男らしい態度である。
ところが、人間は理性に支配されるものではないので、たとえすじの通った理由があっての上でも、君が断わったその相手は、おおむね不満をいだくものである。
これとは反対のことが、気安く約束してやったときにもおこってくる。というのは、多くのことがおこってきて、君が約束していたことを守る必要がなくなるばあいがあるからである。
このばあいでも、君は労せずして満足を与えることができることになる。またたとえ、君が約束を実行しなければならないようなばあいでさえも、いいのがれする道はあるのだ。そして多くの人間は血のめぐりの悪いものだから、口先でだまされてしまう。
けれども、君がした約束を破ってしまうのは、醜悪なことなので、それによって君がひきだしたあらゆる利益をも台無しにしてしまう。
このようなわけなので、人はできうるかぎりつかみどころがなく、しかも希望をもたせるような答えにとどめるように気をくばらなければならない。しかもこのばあい、可能なかぎりはっきりした約束を避けることである。」
(フランチェスコ・グィッチャルディーニ(1483-1540)、『リコルディ』B、八七 他人からの依頼、フィレンツェ名門貴族の処世術、p.220、[永井三明・1998])
索引:)
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フィレンツェ名門貴族の処世術―リコルディ (講談社学術文庫) |